杉山卓

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杉山 卓(すぎやま たく、1937年5月8日 - )は日本の男性アニメーター、アニメ演出家。

概要[編集 | ソースを編集]

東映動画等を経た後に手塚治虫氏率いる虫プロダクションに入社。以後、「鉄腕アトム」や「W3」等、数多くの手塚作品を原作としたアニメの制作に携わってきた。

ナック作品では1972年に「スーパータロム」の原画・演出を担当している。しかし、元より作品に対するこだわりが強かった杉山氏がタロムの制作に本気を出し過ぎた結果、制作期間が延長、更に制作費はファイターではないが予算不足となり、その結果完成したフィルムはパイロット作品にあるまじき長尺(約23分[1])となった為に、後に無理矢理半分近くに尺を縮められてしまったのはご存じの通りである。後にBlu-ray「想い出のアニメライブラリー 第125集 チャージマン研!」の特典ディスク(DVD)に収録及びYouTube公式チャンネル公開されるまで、この「完全版タロム」は長らく幻の一作とされていた。

結局タロムの企画は(「アニメの王国」シリーズで発売されるまでは)日の目を見ないままで終わった為、杉山氏にとっても不本意な結果になったと思われるが、1981年に公開されたナック初にして唯一の劇場作品である「フリテンくん」に監督・脚本で参加しているので、完全にナック自体との縁は切れた訳ではなかった様である。そしてこのタロムの失敗がなければ、登場人物の一部に設定が受け継がれた「チャージマン研!」は生まれなかったのかも知れないのである。

また、第2次アニメブームが起こった1970年代後半~80年代前半頃に多忙な本業の傍らでアニメ業界に関する書籍を幾多も執筆しているが、その中の一冊である「テレビアニメ全集2」(秋元書房・1978年刊)には「(チャー研に)沢田和子氏・藤田淑子氏が出演」という 誤情報が掲載されている[2]専門的な事はともかく、杉山氏が何かとチャー研と因縁のある人物だという事が分かるだろう?

(社長である)西野聖市氏や田中英二氏に比べるとナックとの関わりは少なく参加作品もごく僅かな為、チャーケニストの間で語られる機会は少ないが、日本のアニメーション史に名を残す作品を作り続けた凄腕のアニメーターである事は紛う事なき事実であり、長年に渡り幼児の知能教育や後進アニメーターの育成に励み、近年では自身が監督を務めた手塚治虫氏原案の幻の映像作品である「ワンダーくんの初夢宇宙旅行」(1969年)の復元作業を試みたり[3]、公式ブログにて虫プロ時代を中心とした回想録を綴る等、現在も精力的に活動を続けているいつかタロムの制作時の事が語られる日は来るのだろうか…

余談[編集 | ソースを編集]

杉山氏の実妹は京都アニメーションの創業者(現・専務取締役)である八田陽子(旧姓・杉山)氏である[4]。八田氏との関係については既に出身者等からの言及[5]は存在していたものの、その事実が広く知れ渡るようになったのは、2019年に起こった京都アニメーション放火殺人事件の取材に杉山氏が(創業者の実兄として)応じてからである[6]

杉山氏は作品参加や技術指導等には関与こそしていないものの[7]、結婚後に京都に住を移した八田氏からアニメの彩色事業立ち上げの相談を受け、その基盤となるスタジオ設立に尽力した、言わば京アニ設立の祖となる人物の一人と言っても過言ではないのである。

京アニ作品の作画や演出に対するこだわりは、杉山氏の作品に対する姿勢と相通ずる部分がある。両者の関係と「タロムのメインスタッフ」としての杉山氏の名が早い時期から周囲に認識されていたら、ニコニコ動画の名作MADである「きちれこ![8]内におけるタロムの扱いも、もう少し違う物になっていたのかも知れない…だがその他一切の事は分かりません!

関連項目[編集 | ソースを編集]

外部リンク[編集 | ソースを編集]

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. こちらはタロムのスタッフの一人であった真佐美ジュン氏による言及だが、公式チャンネルで公開されている完全版タロムの尺は20分33秒である。
  2. 杉山氏もこの書籍自体に誤情報が多い事を認めている。詳しくはこちらを参照。
  3. 復元作業から半年後に杉山氏自身が完全版フィルムを自宅の押入れに収納していた事が判明した
  4. 京都アニメーションとわたし1
  5. ついにアニメ業界へ-元京アニ出身者によるブログ記事(2013年9月30日投稿)
  6. 中日新聞しずおか「創作をやめちゃ、だめだ」浜松在住、創業者の兄-Wayback Machine
  7. 京都アニメーションとわたし2
  8. ろまーる氏が制作したけいおん!とチャー研(及びナック作品)を組み合わせたMADシリーズ。続編である「きちれこ!!」(未完)も存在する。