恐怖!ミイラが馬車でやってくる

恐怖!ミイラが馬車でやってくる(きょうふ! - ばしゃ)は、「チャージマン研!」の第5話(DVD版では第4話)である。

本編編集

登場人物編集

あらすじ編集

桜の舞う季節。研のクラスは学校の遠足で飛行機に乗り北海道へと向かっていた。楽しそうに飛行機の外の景色を眺める生徒たち。も浮かれていた。 しかし季節はずれの台風に遭遇。機長の判断で機は台風の中に突入する。

北海道に着いたものの、暴風雨に見舞われ、足止めされる一行。暴風雨は吹雪に変わり、凍てつく風は木も川も凍らせる。そんなさなか、ミイラが馬車に乗り現れた。パトロール中の警官2名がミイラに遭遇。 その中の一人の警官はミイラを見て逃げ出す。もう一人の警官がミイラに銃を撃つもミイラは弾丸を跳ね返し、ミイラが目から発った光線の餌食になる。

警官の死体を発見した研となぎさ先生。「ジュラル星人だ!」と研。なぎさ先生に乞われ研はミイラを倒す為にチャージマンに変身する。 スカイロッドは馬車の車輪に体当たりし、馬車は街灯に衝突し燃えて自滅する。研はスカイロッドから降り、逃げ出す別のミイラを追いかけ狙撃する。ところが気が付くと馬車に乗ったミイラたちに囲まれていた。 「死ねぇ!チャージマン!」の掛け声と共に放たれる光線をかわしつつ、次々とミイラを倒す研だったが、数の多さのため、ひとまとめにして片づけることに。 研はガドロシューズで飛行しながらミイラ達がいる氷原の周辺にアルファガンで光線を放ち、亀裂を作る。ミイラたちは悲鳴を上げ、馬車共々亀裂から水中へ滑り落ち、沈んでゆく。かくして、研によってミイラたちは始末された。

帰路の機中、今度の遠足は南の島がいいとある生徒が言う。南の島で泳ぎたいと言ったなぎさ先生に「しめた!なぎさ先生の水着姿、見れるぞ!」と研が呼応。困惑するなぎさ先生だった。

内容について編集

  • なぎさ先生の初登場回であり、キャロンバリカンが登場しない初めての回。
  • 雨や雪は気味が悪いからたくさんと、明らかに北海道に喧嘩を売っている回である(北海道道民の皆さん、お許しください!)。
  • 「馬鹿が戦車(タンク)でやって来る」という、題名がこの回のサブタイトルに似た映画がある[1]。ただし、ストーリーは全く異なる。
  • 絵コンテでは研達が泊まった旅館の番頭と女中が登場し、二人の話を立ち聞きした研となぎさ先生が囲炉裏を囲んでミイラの噂を聞くという100年後の未来設定にあるまじき怪談めいた展開となっていた。
  • 何故か薄着のまま外に出ていた研となぎさ先生。
  • ミイラの正体がジュラル星人かどうかは、作中からはわからない。研はジュラル星人と断定していたが。
  • 拳銃を持った警官がミイラに向けて発泡するシーン(正確にはミイラに銃弾が当たるシーン)が、吹雪の中での発泡なので銃弾が見づらい、SEが無い、低画質なので見えにくいという3大要素が原因で、拳銃を構えてるのに撃たないままミイラに殺害される意味不明な警官と印象付けられ、視聴者に「撃てよ」と誤解のツッコミをされる珍事が度々起こってしまっていた。分かりにくいけど警官はちゃんと撃っていたのに・・・。ちなみに画質に関してはリマスター版で改善され、ミイラに銃弾が当たってる姿が見やすくなった。当然SEは仕事していないが
  • 警官の持っている拳銃は未来的なデザインだが、発射されたのはどうやら実弾でありジュラル星人には通じなかった。警備ロボット科学者の持っている銃以下の代物しか持たせてもらえていないらしい。

遠足先は北海道のどこなのか編集

道内に空港はいくつかあるが、なぎさ先生やミイラが「街」と言っている事から

  • 女満別空港(大空町)
  • 利尻空港(利尻富士町)
  • 中標津空港(中標津町・根室中標津空港)
  • 奥尻空港(奥尻町)
  • 弟子屈飛行場(弟子屈町)

の5つの内いずれかであると考えられる(2009年の4月から休止している礼文空港を除く)。 この中で氷原と見間違うほどの広大な湖沼が近辺にあるのは、すぐ北に網走湖を持つ女満別空港である。網走湖は冬季には結氷した氷上で釣りやスノーモービルといった各種レジャーが楽しめることで知られている。地理的には女満別空港と考えるのが妥当だろう。 ただしもちろん女満別空港のあるオホーツク地方はワカメの名産地ではないし、ミイラともなんの関係もない。

30分で北海道へ飛べる?編集

冒頭、なぎさ先生は機内にて、「もう着いちゃうんですか?」と言う生徒に対し「だってわずか30分足らずですもの」と言っている。現在の東京(羽田)~札幌(新千歳)は1時間半前後。現代のジェット旅客機でもこれだけかかる。

なお、作中研たちは超音速旅客機(のようなデザインの飛行機)に乗っている。超音速旅客機であれば飛行時間を短くすることは可能かもしれない(ただ、さすがに30分で北海道というのは難しいかもしれない)。

「チャー研」放送当時(1974年)、世界の航空業界では超音速旅客機に大きな関心が寄せられていた。超音速旅客機はジャンボジェットを駆逐して航空旅客輸送の主流になるだろうと言われていた。超音速旅客機の代表格である「コンコルド」は1969年に試験機が初飛行に成功している。アメリカ、ソ連も超音速旅客機の開発を行っていたが、実際に旅客機として運航されたのはコンコルドだけだった。

このような時代背景もあり、登場当初コンコルドは多くの航空会社[2]から発注を受けた、しかし、輸送力の低さ、オイルショック、環境保護団体の反発などといった問題によって、多くの航空会社が導入を見送り、運行路線も限られた。2000年の墜落事故や2001年の同時多発テロ事件も追い打ちをかけ、2003年にコンコルドは全機退役。超音速旅客機の定期運航は消滅した。

ただ、研究開発は今もなお行われており、新型機の開発計画もある。2017年12月、JALが超音速旅客機を開発しているアメリカのベンチャー企業と提携したことが話題となった。ただ、前述の問題や運行コストなど、普通のジェット旅客機に比べハードルはとても高く、「チャー研」のように、気軽に超音速旅客機に乗ることができる未来が来ることはないかもしれない。

静岡から北海道までを約1000キロメートルとすると、離発着時の加減速を考慮すれば巡航速度は時速2400キロメートル程度となる。上述のコンコルドが時速2200キロメートル弱だからそれほど無理な数字ではない。原子力ジェットでなくとも達成できる速度だろう。

影響を与えた?主な作品リスト編集

  • ゴルゴ13 第109話氷結海峡
  • 連続テレビ映画「恐怖のミイラ」(日本テレビ系列にて1961年7月~10月まで放送)

台詞編集

恐怖!ミイラが馬車でやってくるの台詞書き起こし

前回・次回リンク編集

脚注編集

  1. 1964年公開の松竹映画。山田洋次監督の「馬鹿シリーズ」の第3作目。日永村の嫌われ一家の一人、乱暴者のサブが土地をだまし取られた恨みを晴らすべく村中を戦車で暴れまわるというストーリー(→参考)。「こち亀」原作者の秋元治先生のお気に入りの映画だとか。
  2. この中には、日本航空(JAL)も含まれていた。