宇宙ロケットZ9号

宇宙ロケットZ9号(うちゅう-ごう)とは、「チャージマン研!」の第28話である。

本編編集

登場人物編集

あらすじ編集

ここはロケット工場。馬鹿でかい工場の中で宇宙ロケットが次々と製造されていた。製造に携わっているのはほとんどがロボットで、彼らは人間の技師の指示を受け働いていた。宇宙利用という平和利用のため、 ロケットが「一分の狂いも無い点検に点検を重ねられて」製造されていた。

工場の外で、技師長である山村は怪しい男たちと取引をしようとしていた。監視の目を潜り抜け持ち出した新型ロケットZ9号の図面を男たちに見せ、男たちが100億円を持ってきたことを確認する山村。男たちは図面を受け取るが、山村は持っていた光線銃で男たちを殺す。山村は図面を取り返し、100億円を自分のものにした。

工場に戻っていた博士に、航空局の人間が訪ねてきたと秘書が伝える。奇妙に思いながらも向かうと、そこにいたのは航空局の人間ではなく殺した男たちの仲間だった。Z9号の図面を要求する男たちと男たちから逃げる博士。 ロボットたちが阻止しようとするが、男たちが目から放った光線により次々に消されていく。

倉庫に逃げ込んだ山村。しかし男たちはすぐそこに迫っていた。絶体絶命の山村はその場に居た研に気づき、助けを求める。しかし、研は冷たく「あなたは、人類を裏切ろうとした」と返す。研は工場長からの密命を受け、山村の怪しい行動を探っていたのだ。山村が男たちから奪った100億円は、銀行から盗まれたものだった。そうしているうちに、2人は男に周囲を取り囲まれていた。研は変身し、男たちをアルファガンで次々とやっつける。彼らはジュラル星人だった。一人の男が研を背後から襲おうとする。そこに山村が箱を投げつけ、研はアルファガンで男を攻撃した。

警察に連行される山村。美味しいものを差し入れに行くことを約束し、研は山村を乗せたパトカーを見送る。上空をZ9号が飛び去っていった。

内容について編集

  • 研の「上から目線」が際立つ回。「おい、助けてくれ!」と怯える山村に対して眉ひとつ動かさずに、高い所に腰掛けたまま「あなたは、人類を裏切ろうとした」と言い放ち、ラストの会話でも「僕、時々おいしいものを差し入れに行きますよ」と言ってみたりとその態度は発揮されている。また、雄一少年等は見逃しておきながら山村博士だけ警察へ突き出したのも疑問に残る(博士自身が自首したとも考えられるが)。
  • 男たちが「山村!」と叫んで博士を追いかけるシーンは刑事ドラマを連想させる。
  • 研の「上から目線」のウザさ等が余韻に残るチャー研らしい回でもあり、ツッコミ所があまり無く綺麗に纏まっているというチャー研らしくない回でもあった。
  • 500年先の科学力を持つジュラル星人が地球のロケットの設計図を欲しがった理由は謎である。よほど高性能だったのだろうか。

山村博士の罪状編集

ラストシーンで山村博士は警察とおぼしき官憲に逮捕されている。しかし、彼が犯した犯罪とは何であろうか?

まず山村博士はZ9号の図面を渡すと言って地球人に化けたジュラル星人を殺害している。この時点では山村博士は取引相手がジュラルとは知らず、地球人への殺意でもって射殺をしている。だが結果的に相手はジュラルであり、ジュラル星人を殺すことは犯罪にはならないことは研を見れば明白である。

また山村博士は最初から相手を殺すつもりで銃を用意してきている。最初からZ9号の図面を渡すつもりなどなかったのだ。ジュラル星人が一目見て判断したあたり用意した図面は本物だったようだが、しかし背任罪を問えるかどうかは微妙な線であろう。

図面を外部に持ち出した事は重大な内部規則違反であろう。ただ、山村博士は立場としては図面にアクセスできる正当な権限を持ち合わせているはずである。

受け取った金は銀行から盗まれたものだという。だが窃盗の罪はジュラル星人が負うべきもので、受け取る側には関係のない話である。

台詞編集

宇宙ロケットZ9号の台詞書き起こし

余談編集

山村博士が航空局の人間の待つ場所へ向かう際に乗っていた乗り物のデザインが、ゲーム「ファンタジーゾーン」シリーズの主人公オパオパに酷似している。

前回・次回リンク編集