おカマ白書

おカマ白書」は、ナック制作のOVA。1991年から1992年にかけて全3巻が発売された。企画制作は西野くんこと西野聖市氏が担当した。

概要編集

原作は「殺し屋1」「ホムンクルス」などで知られる山本英夫氏が若手時代の1989年から1991年にかけてヤングサンデーで連載していた同名の漫画。

まだ女装の世間的認知度が低く「男の娘」という言葉の予感すらなかった時代にあっては貴重な女装を主題とした漫画の一つである。その一方で作中におけるいわゆるおカマ(現在で言うところのLGBT)に対する描写が(当時の世間一般的な認識から大きく逸脱してはいないものの)過激かつ侮蔑的ということで性的マイノリティの団体から抗議され単行本3巻以降の発売が一旦打ち切られすでに発行されていた1・2巻も回収、その後改めて過激な表現が修正され、巻末に「動くゲイとレズビアンの会」監修による「おカマ白書における男性同性愛者の描かれ方について」という文章が収録された上で1996年にようやく全5巻の単行本としてまとめられる(その後文庫版全3巻も発売される)、という曰く付きのエピソードも持つ。

本作では作画の一部を韓国のアニメスタジオに委託しているが、人物の作画などは割ときれいにまとまっている。ただ街のシーンを実写ビデオで代用するなど手抜きと思われる部分も認められる。

声優は主人公を堀川亮氏(現:堀川りょう)が、主人公の女装時を天野由梨氏がそれぞれ担当するなど当時の一線級の人物が起用されているが、ヒロイン役の森村あすか氏は当時アニメ声優も熱心にこなしていたAV女優である。また脇役として当時の本物のニューハーフたちが出演していたりもする。